eスポーツとアジア太平洋地域
ウェーバー・シャンドウィックのAPAC Intelligence Bulletin(アジア太平洋地域情報速報)では、毎週、アジア太平洋地域の産業分野や市場を方向付ける重要な動向をお伝えしています。
- 長年にわたる持続的成長と投資を経て、eスポーツは従来のスポーツ領域へとさらに拡大しつつあります。
- オリンピックやコモンウェルスゲームズとの継続的なコラボレーションに加え、eスポーツ各団体は、様々な形で新たなビジネスを模索しています。
- アジアのeスポーツ部門は、特にブロックチェーン、NFT、暗号通貨ブランドとの連携が進んでいます。
パンデミック期間中も絶え間ない成長を遂げた数少ない分野の1つであるアジアのeスポーツコミュニティは2021年に6億米ドル以上の収益を達成しました。この地域は現在、世界のeスポーツ市場の54%を占めています。最近、世界的なレポートで特定されたeスポーツの上位15都市のうち、半数以上がアジア諸国でした。
日常に取り込まれるeスポーツ
eスポーツが主流のスポーツ投資として妥当かという議論が長らく行われてきましたが、最近の動向を見ると、この分野は従来のスポーツ領域にすでに参入しています。2021年には、国際オリンピック委員会がeスポーツの予備競技を開始したことに続き、2022年にはイギリスのバーミンガムで開催されるコモンウェルスゲームズでeスポーツの試験的プログラムが初めて導入される予定です
他の地域では、アジア各国でeスポーツが新たな形で展開されています。ニュージーランドのある大学では、2022年に学生がeスポーツ学を副専攻して卒業できるようになると発表しています。日本では、4月に初のeスポーツ高校が開校されるとのことです。また、タイでは、青少年がeスポーツ分野におけるキャリア構築ができるよう、プーケットにeスポーツ開発センターが設立されています。
多くの政府もeスポーツの成長を活用したいと考えています。タイでは2021年からeスポーツをプロスポーツとして正式に位置づけ、アスリートや各団体が政府機関から資金提供を受けられるようになりました。インドネシアの観光大臣は最近、政府主催のeスポーツ大会「プレジデンツ・カップ」で、インドネシアの経済成長におけるeスポーツの重要性を訴えました。
暗号通貨との結びつき
継続的な成長と知名度の向上に伴い、eスポーツはますます多様な出資を呼び込んでいます。マレーシアとインドネシアでは、ある世界的な金融サービス会社が、金融リテラシーを向上させることを目的にeスポーツの団体と協力しています。アメリカの大手eスポーツブランドは、最近、韓国最大の財閥とパートナーシップを結びました。オーストラリアのファンタジースポーツアプリは、eスポーツに特化したファンタジースポーツのアプリを立ち上げたところです。
また、アジア太平洋地域では、eスポーツとブロックチェーン分野との間に特別な関係が構築されつつあります。国際オリンピック委員会は最近、北京冬季オリンピックのプロモーションとして、NFTのモバイルゲームアプリを立ち上げました。また、東南アジアのあるeスポーツ団体は、日本のNFTゲームをインドネシアで開始しました。マレーシアのデジタル資産取引所は最近、初のスポンサー付きeスポーツトーナメントの終幕を迎えました。
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この報告書はウェーバー・シャンドウィックのインサイト&情報チーム(シンガポール)が作成したものです。
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