イスラエルとハマス 10/17
イスラエルとハマスの紛争が急展開する中、アジアの国々は戦火に巻き込まれた自国民の救出活動に向けた取り組みを進めています。しかし中国は、自らを中東の和平調停者として位置づけようと、最近では停戦を支援する動きを見せています。経済の不確実性と、グローバルな相互関連性に対する懸念は依然として高まっています。
ASEANでは、マレーシアとインドネシアで、パレスチナ人支援を目的としたデモ活動や、祈りを捧げる人々が見受けられました。各ブランドにおいては、懸念を表明し、従業員へのサポートを提供した企業もありましたが、極めて困難な状況にどのように対応し、対処していくかという課題に引き続き直面しています。
- アジア各国の政府は国民の帰還を優先しています。死者の数が増える中、韓国、タイ、インド、オーストラリア、フィリピンなど複数の国が、紛争に巻き込まれた自国民の救出活動を強化しています。
- 中国は中立の立場を主張しながらも、イスラエルの対応に批判的であり、イスラエルの行動は「自衛の範囲を超えている」と述べています。中国は中東に特使を派遣し、停戦を呼びかける意向です。しかし、北京当局の危機解決への取り組みは、この地域における経済的な利益を守るためではないかとの憶測も。今回の決定は、中国籍の4人が死亡し、2人が行方不明と発表された時期と重なります。
- 依然として続く経済見通しの不確実性への懸念。アジア市場では、イスラエル軍による地上攻勢準備がイランを巻き込んだ地域戦争へと発展しかねないとの懸念から、月曜に市場が後退。また、原油価格が高騰し、インフレ抑制策が難航する恐れも。これに対し、日本はエネルギー価格の高騰に備えた対応策を模索しており、韓国政府はそのような事態に対応するべく必要な準備を整えたと発表しています。台湾では、紛争による原油価格と輸出への影響を国家発展委員会が注意深く監視していることを明らかにしました。
- この紛争は、脱グローバリゼーションの新たなきっかけになる可能性があるという見方もあります。一部の経済学者によると、グローバリゼーションは近年停滞しつつあると言われている一方で、トランプ政権による中国との関税合戦、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻といったきっかけによって、グローバリゼーションは完全に逆行しつつあるとの主張も少なくありません。イスラエルとハマスの戦争も、脱グローバリゼーションのきっかけになる可能性はありますが、その程度や影響についてはまだ未知数といった状況です。
- マレーシアとインドネシアでは、パレスチナ人を支援するために何千人もの人が結集しました。ムヒディン・ヤシン元首相を含む約15,000人がクアラルンプールの国立モスクに集まり、ガザにおけるイスラエルの戦争を非難。また、マレーシアとインドネシアのモスクでは、パレスチナ人の平和と安全のために祈りを捧げる人々も見受けられました。
- 現在の状況に対して、自社の見解を表明する企業がある一方で、沈黙を守っているブランドもあります。マイクロソフト、グーグル、ヒューレット・パッカード、JPモルガン、メタ、アップル、ゴールドマン・サックスなどの企業は、イスラエルへの支持を表明し、ハマスの攻撃を批難しています。しかし、ウクライナとロシアの紛争時には素早く行動を表明していた他企業は、今回の戦争において沈黙を守っているという状況です。アジア太平洋地域では、企業やブランドはまだこの問題に対して明確な立場を表明していません。これは、企業やブランドが、極めて複雑な地政学的リスクに対処しなければならないという課題に引き続きさらされていることを物語っています。
地政学的な事柄に関するご相談は、ウェーバー・シャンドウィックのクライアント・サービス・チーム、もしくはこちらget in touchまでお問い合わせください。
- このニュース速報は、アジア太平洋地域のビジネス部門に関する出来事や進展についての報道記事を要約したものです。
- ここに掲載されている見解および意見は、必ずしもウェーバー・シャンドウィックを代表するものではありません。