イスラエルとハマス 11/21
戦争と、それに伴う人道的危機は、アジアで開催されているグローバル・イベントでも重要な話題となっています。日本の貨物船が武装組織フーシ派に拿捕され、日本も紛争に巻き込まれているという状況です。
インドネシアやマレーシアでは、イスラエルに関連する諸外国の製品やサービスに対するボイコットが拡大しています。シンガポールでも、ある国産ブランドが、紛争に関するコメントを発表したことで、SNS上で非難の対象となりました。オーストラリアの人々はパレスチナの支援活動を続けており、同国のサッカー代表チームも活動に参加しています。ガザにあるインドネシア病院が致命的な爆撃を受けたことで、病院内のインドネシア人たちは不安を募らせています。
- イスラエルとハマスの紛争は、今や国際的なサミットにおける重要な話題となっています。第30回APEC首脳会議では、マレーシア、ブルネイ、インドネシアが、紛争終結にむけて、即時かつ持続的な人道的停戦を求める共同声明を発表しました。各国はまた、紛争地域の市民に必要な物資やサービスを、即時かつ継続的、そして途切れることなく提供するよう呼びかけています。インドのナレンドラ・モディ首相は、先日オンラインで開催された「グローバルサウス(南半球を中心とした途上国)の声」サミットにおいて、発展途上国の指導者たちに対し、戦争による課題が深刻化する中、一丸となって取り組むべきだと訴えました。
- 中国は和平調停者としての役割を強化する努力を続けています。パレスチナ自治政府、インドネシア、エジプト、サウジアラビア、ヨルダンの各外相からなる代表団が今週北京を訪れ、紛争の「脱エスカレーション(緊張緩和)」を目指した会談を行う予定です。
- 日本の海運会社、日本郵船が運航する英国所有の貨物船が紅海で拿捕され、これに対しイスラエルは、イエメンの武装組織フーシ派が関与していると主張しています。犯行声明を出したフーシ派は、イスラエルの船舶を拿捕し、イエメンに向けて航行させたと発表。イスラエル首相府は、国際的な航海を行う船に対するイランの攻撃を強く非難するとコメントしました。イスラエルはまた、拿捕された船はイスラエル船ではないと述べています。
- インドネシアとマレーシアでは製品の不買運動が激化。インドネシアでは、(イスラム教最高聖職者組織である)ウルマ評議会が、イスラエルと直接的または間接的に「関係がある」と思われる121の製品(主に食品と飲料だが、医療製品も含まれる)の購入をボイコットするよう呼びかけています。それ以前にも、10月中旬にマクドナルドが、戦時中、イスラエル軍に数千食のハンバーガーを無償提供したとSNSで発表したことで、消費者がマクドナルドをボイコットした事例がありました。ウルマ評議会の発表を受けて、ボイコット・投資撤収・制裁(BDS)、統一人民戦線(FUB)、イスラム防衛戦線(FPI)などを含む、インドネシアの複数の組織が、マクドナルドやスターバックス、バーガーキングといった親イスラエルと思われる企業へのボイコットを呼びかけています。マレーシアでも、マハティール・モハマド前首相がイスラエルと関係のある企業の製品をボイコットし続けるようマレーシア国民に訴えています。
- シンガポールSingaporeのSNS騒動が国産ファッションブランドにも飛び火。シンガポールのブランド、ビヨンド・ザ・ヴァインズ(BTV)では、ブランド設立者が戦争に関するコメントをネット上で発表したことで、SNSユーザーから反感を受けている状況です。ブランドの共同設立者たちは謝罪を表明しているものの、ネット上の反応は賛否両論となっています。
- オーストラリアでは、親パレスチナ活動が拡大し続けています。数万人もの人々がガザでの停戦を求め、全国各地でパレスチナを支持する集会を開催しています。さらに、オーストラリアのサッカー代表選手たちは、火曜日に行われるワールドカップ予選の試合で得られる収入の一部をパレスチナに寄付し、(非営利団体)「オックスファム」を通じてガザでの人道支援活動に充てる予定です。
- インドネシア、病院への攻撃を強く非難。ガザ地区にあるインドネシア病院が致命的な空襲を受け、12人が死亡。インドネシアは、この病院でボランティアをしていた3人の国民と連絡が取れなくなったと発表しています
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- このニュース速報は、アジア太平洋地域のビジネス部門に関する出来事や進展についての報道記事を要約したものです。
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