ビデオゲーム&ゲーム産業
- 2020年以降、ゲーム産業は急速な経済成長を遂げ、様々な分野から大規模な投資が行われています。
- 現在活気あるゲーム市場への投資を検討しているのは、政府、広告代理店、動画配信サービス、スマートフォンブランドなど。
- しかし、人気の高まりは、規制当局の監視強化や、地域における犯罪行為の増加にもつながっています。
- また、最近では、収益減少や世界的な業界内の混乱をめぐる報告などにより、この分野で予測されている成長軌道に疑問が呈されています。
最新のレポートによると、インドのゲーム部門は2023年に10万人の新規雇用をもたらすと予想されています。世界最大級のテック企業は、毎月1億5000万人のインドネシア人が同社のオンラインゲームプラットフォームを訪れていると発表しています。2027年には、アジア全体で10億人を超えるゲーマーが存在すると予想されています。
成長への投資
アジアにおけるゲーム産業の成長は、さまざまな投資を呼び込んでいます。中国とサウジアラビアの政府は、両市場におけるゲーム開発を支援する共通の公約を打ち出しました。インド最大の鉄道地域の運営当局は、家族連れが楽しめるようなゲームセンターを駅に設置する案を検討しています。
現在人気を博しているゲーム市場を活用しようと、さまざまな業種が新たな基盤や体制を構築しています。日本最大の広告代理店は、世界大手ゲーム会社の元幹部を起用し、ビデオゲーム広告をクライアント向けに提案する方針です。ニュージーランドの慈善団体は、成人のニューロダイバーシティ(Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた言葉で、発達障害を含む全ての脳や神経には違いがあり、その違いを優劣ではなく多様性として尊重し合う考え方のことを指す)を支援する目的でゲーム開発者と提携しています。
その中でも特に成長が顕著なのが、クラウドゲーミング・プラットフォームです。世界最大の動画配信サービスは、近い将来、パソコン用ゲームソフトの開発分野に参入することが予想されています。あるクラウドゲーミング・プラットフォームの大手は、新たに韓国の多国籍企業と提携し、同社のゲームネットワークをスマートテレビへと拡張する方針です。
クリーンアップの必要性
しかし、この地域におけるゲームの人気は、同時に厳しい監視や不正利用の増加を招いています。あるハッカー集団は、オンラインゲームで上位ランクのプレイヤープロフィールへのアクセス権を販売する目的で、5千万件のパスワードを盗み出したとのことです。中国の大手ゲーム開発会社は、現在、著作権侵害の疑いで提訴されています。
複雑化の一途へ
この分野の成長軌道は、さらに新たな展開に直面しています。世界のゲーム産業と、世界最大のゲーム会社のいずれもが2022年の売上高は減少傾向にあると報告しています。世界最大のソフトウェアメーカーは現在、ゲーム会社の買収計画をめぐって米国連邦取引委員会から訴訟を受けています。
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